3.同心球面対共振回路

3.1 球形コンデンサの静電容量

 同心の球面対はコンデンサとして働く。図4で内側と外側を結ぶ電流源の代わりに誘導容量を持つコイルを考える。すると図7のようにコイルとコンデンサからなる共振回路が形成される。

 コンデンサといえば、一般に二つの導体平面を近づけたものを思い浮かるが、形状として球形のコンデンサも考えられる。球形コンデンサは対向する面がなく単体であっても無限遠との間で静電容量を持つことが知られている。半径 a の球形コンデンサの静電容量は、[MKSA] 単位系では次式(4)で与えられる。


C = Q / V = 4pi e a
(4)

 また、図7(a)のように半径 a と半径 b (ただし a < b とする)の同心球面対で形成される球形コンデンサの静電容量は次式(5)で与えられる。


C = 4pi e (a-1 - b-1)-1
(5)


図7

図7 同心球面対共振回路(a)とその等価回路(b)
Fig.7 A resonance circuit with a pair of concentric spherical surfaces (a),
an equivalent circuit (b).